血液型のお話(5)2006年01月20日 00:20

 少し退屈ですが、今日は「血液型と病気」についてです。ご用のない方はどうぞ。

 Britannica CD99には「A型はO型やB型より、胃がんに20%多くかかりやすい」ことや「O型は40%多く十二指潰瘍にかかりやすい」ことなどが紹介されている。
 他にも「B型は結核に弱い」や、「A型は天然痘に罹りやすい」、「O型はペストに罹りやすい」とかの報告がありますが、統計的処理を行った結果、O型の潰瘍以外は関係がないことが証明されているか、疑わしいとされています。
 国立遺伝学研究所の斉藤成也博士らによれば胃潰瘍(進行すればガンになりやすい)の原因の一つはヘリコバクター・ピロリというバクテリアで、このバクテリアが胃壁にもぐりこむ際に足がかりにしているのがO型糖鎖であり、O型糖鎖しか持たないO型の人が罹り易いとのことです。

 ★糖鎖:赤血球上にある抗原(異物)でO型にはO型の糖鎖、A型にはAとOの糖鎖、B型にはBとOの糖鎖、AB型にはA,B,Oの糖鎖がある。
 ★ついでに抗体について:抗体とは侵入してきた抗原(異物)を攻撃する防衛軍のようなもので、抗原と反応して排除する(抗原抗体反応)。このとき抗体は抗原に対応した形に変化する。この変化は記憶され、同じ異物が侵入したとき直ちに対応できるようになる。これが「免疫が出来る」ということ。

 下表の血液型と免疫性からみてO型は胃潰瘍に罹りやすいかもしれないが、他の免疫機能が優れており全般的に病気に罹りにくい。血液型は最初から4種類あった訳でなく病気に対する免疫から変化した可能性が強い。     (古い O->B―>A->AB 新しい)

   血液型    O      B      A     AB
  白血球総数 6400   6200   5900   5800
   顆粒球   56%    58%    59%    61%
  リンパ球   41%    39%    37%    35%

 ★血球には「顆粒球」「リンパ球」と「マクロファージ」があり、それぞれの比率は60:35:15。「顆粒球」は真菌、大腸菌、細胞の死骸など大きなサイズの異物を食べて処理する。「リンパ球」はウィルスなどの微小なサイズの異物に対して抗体と呼ばれるたんぱく質を使って攻撃する。「マクロファージ」はサイズの大きな異物や細胞から出た老廃物を食べたり、異物の侵入を顆粒球やリンパ球に知らせたりする。

 その他に、「骨髄移植を行った場合には、骨髄提供者(ドナー)の血液型に変わる場合がある。」また、「白血病を発病することによりO型に変化することがある。」「消化器系にガンが出来るとA型がB型に変わることがある。」と血液型の変化が報告されている。

 長い間お疲れちゃん!次回は、血液型の国別ベストテンを載せます。結構偏っていますよ。お楽しみに。