かなわん燃料値上げ2006年08月01日 10:14

 今日からガソリンの大幅値上げが行われるそうだ。ニューヨーク原油がまた高値をつけたがこれは中近東の緊張とロシアの欧州向けパイプラインが破損したとの情報による。いつまでこの状況が続くのだろうか?紙も燃料高騰により値上げされそうだし、魚も船の燃料高で高くなりそうだし、砂糖もエタノールへの原料(サトウキビ)転換により高くなっているという。
 一番の原因は中近東の緊張であるが、昨日安保理でイランに対する国連憲章第7章41条(経済制裁)の採択も含む「ウラン濃縮月内(8月末)停止要求」が採択された。しかし8月31日の期限が過ぎて直ちに経済制裁が行われるかはロシアの思惑もあり足並みが揃うか懸念されている。その前段階として米欧6カ国が突きつけた「包括見返り案」への回答が8月22日に迫っており、それが一つの山場となりそうだ。
 またアメリカとイランの代理戦争だと言われているレバノンの戦争も先が見えないでいる。イランのアハマネディジャド大統領は「イスラエルを地図から消せ」と過激な発言を繰り返し、レバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラへの資金・武器供与の疑いが濃厚であるといわれている。一方イスラエルについては米英が支持しておりブッシュ米大統領は「イスラエルに自衛権がある」とその行動を支持しており、イスラエルのオルメルト首相はイランを「核問題から目をそらせるためレバノン情勢を利用している」と非難している。
 石油の利権をめぐり米英の大国のエゴとイランの反米感情が対立した構造になってきているが米英とイスラエルはイランとの直接対決に備えイスラエルの喉元を脅かすイランの分派と見なしているヒズボラを徹底的に叩くつもりが誤爆による民間人や国連軍の被害の増大により目論見が外れてきたというのが実情のようだ。イランは石油利権を掌握したい大国のエゴより自国を守るために核武装したい考えだが、将来的な大国の核武装解除を念頭に置くならば決して許してはならない行為だと思う。また革命的政権が核を持てば自国防衛だけではなく世界中に核兵器の分散が行われ、世界平和の脅威ともなりかねない。人間は賢くもあるが愚かである。神の宝であるプロメテウスの火をもてあそびゼウスの怒りに触れなければよいが。
 庶民は世界情勢よりまずはガソリンの価格。あぁ~、困った困った。