イラン包括案未諾2006年08月23日 10:00

 イランは、「6ヶ国包括見返り案」に回答してきたが、包括案の諾否は明言せず、当面はウラン濃縮活動を継続する意向を示したといわれる。 イラン側はあくまで核開発は平和利用のためと強調しているが、米欧では核兵器の開発につながることを懸念している。イラン側は包括案について回答期限は明記されていないや国連安全保障理事会の31日の停止期限は無効との見解を取っており、米欧との見解の差は大きく溝は埋まりそうにない。  かといって制裁発動についても「脅しに過ぎない」との軽い受け止め方で、イランと軍事・経済で親密な中国やロシアは制裁発動に躊躇するだろうし、投資で緊密なドイツもそれにならうだろうとの読みがある。 米国は日本・欧州各国にイラク同様「有志による制裁」を呼びかけているが今回は安保理決議程度の権威付けが必要と拒んでいる。もし実現したとしてもイランの姿勢を擁護する発展途上国も多く国際政治の混乱につながりそうだ。  イラン問題について米国以外は皆及び腰で、米国が単独でも強硬手段に出るかどうかが大きな鍵となるが米国もイラクに続いてすぐに実行できるかははなはだ疑問である。  いずれにしろ、イランという大きな爆弾を抱えたことは事実で、中東の緊張は和らぎそうにない。やれやれまだまだ石油は高値で推移するのかねぇ~?こらえてください。