あぶない隣人2006年10月14日 10:53

 北朝鮮への制裁措置の内容が判った。基本は経済措置に限定されたが「国連憲章第7章に基づき、第41条の措置を講じる。」
まず、今後の核やミサイル実験の停止と核拡散防止条約と国際原子力機関への復帰を求めた上で大量破壊兵器の開発に役立つ関連物質と技術の供給、販売、移送を禁じる。(加えて戦闘機や戦車など指定軍用品およびぜいたく品は禁止。)これに違反した個人・団体の資産を合法的な手段で直ちに凍結すると共にその関係者が入国したり、通過するのを阻止する。また必要に応じて船舶の臨検を行なう。加えて北朝鮮は無条件で6カ国協議に即時復帰し、05年9月の共同声明(北朝鮮の核放棄)を迅速に実行するよう要求している。これらに対する北朝鮮の対応を継続的に再検討し、必要に応じて措置を強化あるいは解除する。追加的措置が必要であれば、さらに決定を求める。
 これによると食糧や工業生産物の輸出入は対象になっておらずかなり範囲が限定されたものになっている。日本はさらに範囲を広げカニやまつたけなど全面的に輸出入の禁止措置を取っているが日本だけではその成果はほとんど期待できない。また北朝鮮の大量破壊兵器の輸出入阻止も船舶に限らず陸上輸送にも臨検の網を被せなければ密輸出入で簡単に禁を破ることが出来そうだ。このためにもこの制裁がうまくいくかどうかは船舶の臨検に加え中国の対応が鍵となるが中国は臨検には消極的でありぜいたく品の範囲にも注文をつけるなど決して制裁に積極的ではない、このあいまいさがこの制裁の命取りになるかもしれない。
 北朝鮮にとって大量破壊兵器の開発は悲願でありたとえ開発時期が当初より遅れたとしても決して諦めることはないように思える。日本は北朝鮮には核が存在するとの前提で今後の対応をせざるを得ないだろう。韓国では国民があわてているのに、日本ではどこか遠い国の出来事のように捉えられている。どこかで核反対のデモ行進をしたとは聞こえてこない。逆に沖縄では迎撃ミサイル・パトリオット3の配備に対して座り込みの反対運動が起こっていたが。まぁ、慌てたところでどうにもならない事ですが。でも危ない隣人ですね。やれやれ。