宝石のお話(7) ― 2005年12月18日 00:03
こんにちは、ダイヤモンドとデ・ビアス社は切っても切れないことが判りました?
ところで、日本で婚約指輪がなぜダイヤか判ります。その秘密を。
デ・ビアス社は19世紀、産業革命を契機とした豊かな英国を始めとする欧州に事業展開をしていた。急増する原石をさばくには新しい市場が必要だった。
そこで当時世界の新興成金にのし上っていたアメリカを選んだ。
原石を大量にさばくため「ダイヤは永遠の愛の証しなり」というダイヤ神話を広めるプロジェクトを立ち上げた。
具体的には、ダイヤを映画女優と結びつけることによりそのファッション性を高め「ダイヤは愛の贈り物であり、粒の大きさに愛の深さは比例する」という神話を人々の中に植えつけるのに成功した。
もともとダイヤを婚約指輪として贈る習慣は昔からあったが20余年にわたるこのプロジェクトで、より大粒のダイヤを買わせることに成功した。
ところが1960年代になると厄介なライバルが出現した。ソ連である。デ・ビアス社は独占を続けるためにはこのソ連産のダイヤを買い続けなければならなかった。
しかしソ連産のダイヤは0.5カラット以下の小粒だった。そこでデ・ビアス社が取った戦略は結婚後に夫が妻に贈る小粒のダイヤをちりばめたエタニーリングの発明であった。
こうして大粒なダイヤだけでなく小粒のダイヤまで買わせることに成功した。このときから今までは大粒でさえあれば良かったダイヤに小粒でも品質が良ければ大粒なダイヤを凌ぐという評価方法が加わった。
次に狙われた市場は日本であった。1967年、デ・ビアス社は世界的な広告代理店を使い日本における婚約指輪キャンペーンを始めた。翌年5%、5年後50%、13年後60%、20年後には実に74%の女性がダイヤを指に嵌めた。今までダイヤの指輪に縁のなかった日本においてもキャンペーンは大成功をおさめ、アメリカに次ぐ第二の消費国となった。
(一時は世界一の消費国となった日本も今は不景気のせいかその面影はなく昨年中国にも抜かれてしまった。昨年11月時点で中国が世界5位。)
現在狙われているのは中国やインド、中国ではかっての日米のようにプラチナとダイヤの婚約指輪がブーム。(上海では8割のカップルがダイヤを選んでいる)
最初は、生産ラインの独占、次に販売ルートも含めた独占。
2001年に小売業に進出するまでは、デ・ピアス社が扱うのは原石のみでルース(裸石、研磨した石)や宝飾品(指輪などの完成品)には手を出しませんでした。それにもかかわらず世界で何百億円もの広告宣伝費を投入している。なぜなら最終消費者につながる宝石店は意外と零細が多く、自分で販売促進のキャンペーンを展開する余裕がない、そこで小売店の販売を促進するためにデ・ビアス社が巨費を投じた。そうすれば生産をあげたり、在庫を減らしたりで間接的に利益を得られる。また、宝飾品が売れれば金やプラチナ(アングロ・アメリカンの生産物)も売れるという構図が出来ていた。
2001年に小売業に進出するのも、供給ラインの独占が不可能になったため、消費ラインをになっている意欲あるメーカーや小売店の囲い込みを他の供給ラインに先駆けてはじめたものである。(最終的に選んだLVMHばかりでなくカルティエのリシュモングループやティファニィにも接触していた。)
長くなったので残りは次に。待っててね。
ところで、日本で婚約指輪がなぜダイヤか判ります。その秘密を。
デ・ビアス社は19世紀、産業革命を契機とした豊かな英国を始めとする欧州に事業展開をしていた。急増する原石をさばくには新しい市場が必要だった。
そこで当時世界の新興成金にのし上っていたアメリカを選んだ。
原石を大量にさばくため「ダイヤは永遠の愛の証しなり」というダイヤ神話を広めるプロジェクトを立ち上げた。
具体的には、ダイヤを映画女優と結びつけることによりそのファッション性を高め「ダイヤは愛の贈り物であり、粒の大きさに愛の深さは比例する」という神話を人々の中に植えつけるのに成功した。
もともとダイヤを婚約指輪として贈る習慣は昔からあったが20余年にわたるこのプロジェクトで、より大粒のダイヤを買わせることに成功した。
ところが1960年代になると厄介なライバルが出現した。ソ連である。デ・ビアス社は独占を続けるためにはこのソ連産のダイヤを買い続けなければならなかった。
しかしソ連産のダイヤは0.5カラット以下の小粒だった。そこでデ・ビアス社が取った戦略は結婚後に夫が妻に贈る小粒のダイヤをちりばめたエタニーリングの発明であった。
こうして大粒なダイヤだけでなく小粒のダイヤまで買わせることに成功した。このときから今までは大粒でさえあれば良かったダイヤに小粒でも品質が良ければ大粒なダイヤを凌ぐという評価方法が加わった。
次に狙われた市場は日本であった。1967年、デ・ビアス社は世界的な広告代理店を使い日本における婚約指輪キャンペーンを始めた。翌年5%、5年後50%、13年後60%、20年後には実に74%の女性がダイヤを指に嵌めた。今までダイヤの指輪に縁のなかった日本においてもキャンペーンは大成功をおさめ、アメリカに次ぐ第二の消費国となった。
(一時は世界一の消費国となった日本も今は不景気のせいかその面影はなく昨年中国にも抜かれてしまった。昨年11月時点で中国が世界5位。)
現在狙われているのは中国やインド、中国ではかっての日米のようにプラチナとダイヤの婚約指輪がブーム。(上海では8割のカップルがダイヤを選んでいる)
最初は、生産ラインの独占、次に販売ルートも含めた独占。
2001年に小売業に進出するまでは、デ・ピアス社が扱うのは原石のみでルース(裸石、研磨した石)や宝飾品(指輪などの完成品)には手を出しませんでした。それにもかかわらず世界で何百億円もの広告宣伝費を投入している。なぜなら最終消費者につながる宝石店は意外と零細が多く、自分で販売促進のキャンペーンを展開する余裕がない、そこで小売店の販売を促進するためにデ・ビアス社が巨費を投じた。そうすれば生産をあげたり、在庫を減らしたりで間接的に利益を得られる。また、宝飾品が売れれば金やプラチナ(アングロ・アメリカンの生産物)も売れるという構図が出来ていた。
2001年に小売業に進出するのも、供給ラインの独占が不可能になったため、消費ラインをになっている意欲あるメーカーや小売店の囲い込みを他の供給ラインに先駆けてはじめたものである。(最終的に選んだLVMHばかりでなくカルティエのリシュモングループやティファニィにも接触していた。)
長くなったので残りは次に。待っててね。
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