宝石のお話(4)2005年12月15日 03:56

 皆さんお元気ですか。
 今回は宝石の王様ダイヤモンド(以下ダイヤで省略)のお話し。
 あんなに小さな石をつけた指輪が何十万もするのに疑問を持った方はいませんか。
 それはすべてある一つの会社の策略、それは南アフリカにある、デ・ビアス社。(現在はイギリスのアングロ・アメリカンの子会社)
 デ・ビアス社の話に入る前に予備知識としてダイヤモンドの生産量のお話

 ★ダイヤモンドの生産量★

 ・おおよそ2000年前:インド(ゴルコンダ)とボルネオに漂砂鉱床が発見される。
   生産量は年間1万カラット・・「宝石の中の宝石」といわれ王侯、貴族や財閥等限られた支配層だけが所持した。 
 ・1725年:ブラジルで漂砂鉱床発見
   生産量は年間10万カラット・・一般の富裕階層へ広がる。
 ・1867年:南アフリカ(キンバリー)でパイプ(鉱脈)発見
 ・(1870年)生産量30万カラット
 ・(1880年)生産量300万カラット
 ・1910年:プレミア鉱山発見
   生産量は年間600万カラット
 ・1960年代:アフリカ各地で鉱山発見
   生産量は年間2800万カラット
 ・1970年代:シベリアで大鉱脈発見
   生産量は年間4200万カラット
 ・同:ボツワナ(ジュワネン、オラパ)で大鉱山発見
   生産量は年間6000万カラット
 ・1990年代:オーストラリア(キンバリー)でアーガイル鉱山発見
   生産量は年間一億カラット
 ・現在も、カナダやロシア、オーストラリア、中国等で新しい鉱脈が続々発見開発中。枯渇もあるので当面は年間生産量は一億カラット。これから生み出される宝石は1500万カラット。

 昔は、確かにたぐいまれな性質を持つ希少価値の高い宝石だった。しかし今では他の宝石よりはるかに多い生産量がある、ありふれた宝石。年間一億カラット。
 これだけ生産されながら値崩れしない、最近では逆に値上がりしている。 この秘密は、デ・ビアス社の作り上げたシステムと同社オッペンハイマー会長が宣言した「独占は全員の利益である」のことばの中にある。

 次回はダイヤの秘密には切っても切れないデ・ビアス社の歴史について。それでは。