竹林は悪者か?2008年03月06日 18:50

 今、遠賀川中流部にある中島の自然保護を考えるワークショップに参加しているが、中島にある孟宗竹林が稲に害をなすスズメのお宿になっているのではないかと付近の農業者より伐採の要求がなされていた。その孟宗竹に関する記事がひろば北九州の3月号の載っていた。それによれば日本における竹林は政策によって拡大されていったようで、大正8年、農商務省から「竹林造成奨励規則」が公布され「苦竹(真竹)、淡竹および農商務大臣の必要と認める竹種」が奨励種とされた。福岡県ではこれより早く明治44年に竹林奨励の指針が定められ「苦竹、淡竹、白竹、黒竹、孟宗竹」の5種が奨励種とされた。当初は苦竹の生産が主流で竹細工や竹皮、竹枝として使われており孟宗竹は主として筍として生産されていた。昭和になり化学製品の台頭による竹製品の需要減少や苦竹の開花枯死(60年周期で竹に花が咲くと枯死する)による大幅減少に伴い筍生産としての孟宗竹が主流となったようだ。
 竹林は生命力が強く広葉樹との混合林では樹木以上に高く育ち樹木の日照を妨げ弱らせあるいは枯死させるそうでまた竹林では竹の葉が腐葉土化しにくく下草も生えなくなり植物の生態系に悪影響を与えるそうです。
 かつて奨励していた竹が今や一部では邪魔者扱い。今、外来種が植物の生態系を崩すと問題になっているが、ある人いわく「稲も外来種では」。確かに弥生か縄文後期に渡ってきたもの。今では稲をわざわざ外来種と呼ぶ人もいない。時が経てば在来種になるのかな?