血液サラサラ詐欺2006年08月31日 09:09

 NHK番組「ためしてガッテン」によれば最近、血液の顕微鏡検査にかこつけて高価な指輪やブレスレットを売る詐欺まがいな販売が増えているという。最初何もつけない状態で血液を採取し、「血液がドロドロ」状態を見せ、次に指輪等をつけさせ3分後に血液を採取してみると「血液がサラサラ」状態に改善されるというもの。「血液がドロドロ」だとやがて心筋梗塞や脳梗塞、ガンになると恐怖心をあおり、高価な(20~30万円)指輪等を売りつける。この種明かしは、血液はわずかな磁性を帯びているので3分以上経つと自然にくっついてしまうあるいは3分経たなくてもサンプルの血液量が多いと、赤血球が何層にも重なり「見かけ上」数珠状に見える。サンプルの血液量が少ないと重ならない。要するにサンプルの血液量が多ければ「ドロドロ」に見え、少なければ「サラサラ」に見える。従ってこの血液検査だけで本当に「血液がドロドロだ」とはいえない。
 詐欺の話はさておき、本当にドロドロとは血糖などが多い状態のとき、赤血球が柔軟性を失い接着剤のようにくっつきやすくなり生じる。また止血に欠かせない血小板が、ストレス(驚いたり、不快音を聞いたり、痛い思いをしたり、力んだりした場合)により必要以上に過敏になると血液はドロドロになる。
 それでは、このドロドロ状態を改善するには「食べ物」では「野菜」や「魚」を取るのがよく、点数にして毎日それぞれ500点以上を取るのが良いといわれている。(点数は可食部100gについて血小板の固まりやすさなどを試験管試験で求めたものであり、野菜と魚は計測法が異なるため同一の評価はできない)
 「野菜 」(200点以上)青ネギ、にんにく、パセリ、ほうれん草、アスパラガス、ニラ、にんじん(100点以上)ピーマン、タマネギ、にがうり、セロリ、ブロッコリー(100点未満)きゅうり、もやし、カリフラワー、大根、レタス、白菜、赤ピーマン、ジャガイモ、ごぼう、キャベツ
 「魚 」(1000点以上)まぐろトロ、しめさば、さんま、たちうお、真いわし、うなぎ蒲焼き、天然ぶり、養殖マダイ(500点以上)さわら、にしん、あなご、きんめ鯛、たらこ、ほっけ、戻り鰹(500点未満)あじ、ひらめ、すずき、うに、かれい、タコ、まぐろ赤身
 この「食べ物」以上に効果的なのは「運動」。実は自分の血管の内壁から血小板の過敏さを抑える物質「プロスタサイクリン」や「トロンボモジュリン」が分泌されており。とくに、「運動」で血流を上げれば、その分泌量は3倍近くにすることが出来る。「運動」は30分以上が望ましいがそれ以下でも効果はある。また汗をかきすぎると血液はドロドロになるので、ウォーキングなどの軽めの運動や、室内での運動がおすすめ。水分補給も十分しなければならない。
 高価な器具に頼るのではなく「野菜」や「魚」を毎日適量とり、水分補給をしながら軽めの運動を30分程度行い、ストレス解消も出来るならば血液は「サラサラ」状態の可能性が高い。