減量の科学的動機2006年02月04日 13:51

 いやー、大変な記事を見つけたよ。昨年の5月時点で地球上で約10億人が太りすぎとの事。(BMIで25以上の「過体重」、「肥満」の人)このままいけば2015年には15億人に達するとのこと。これでいけば私も境界線をわずかながら超えている。仲間が多いのはなんとなく安心できるが、肥満の仲間ではね~。

 ★BMI:肥満度指数のことで体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
 体重60kg、身長160cmの人では60÷1.6÷1.6=23.4
 体重80kg、身長160cmの人では80÷1.6÷1.6=31.3

 肥満に伴って心配なのは医療費の増大、先進国では新たな危機の種になりそう。
 肥満は万病の元。動脈硬化が進むと脳卒中、狭心症、心筋梗塞、腹部動脈瘤、閉塞性動脈硬化症など恐ろしい名前の病気が起こる。

 ところで日本人は欧米人較べて肥満に成りやすい。それは「倹約遺伝子」を持つ人の割合が欧米人の2~4倍もある。貧食時代には役立った遺伝子も現在の飽食時代では逆に働き、肥満や糖尿病になりやすくなる。

 ★倹約遺伝子:少ない食べ物から効率よくエネルギーを蓄える遺伝子

 最近の肥満の研究で従来脂肪細胞の働きは活動に必要なエネルギー源を蓄えるだけと考えられていたが単に貯蔵庫としてでなく生命維持に欠かせない様々なホルモンなどを生成する内分泌器官で有るということがわかってきた。

 生成される主な物質としては
 ・PAI-1:血液を固めるたんぱく質(過剰になると血管が詰まり狭心症を起す)
 ・TNF-α:糖尿病と関連(増えすぎるとインスリンの働きを弱め血糖値があがる)
 ・レプチン:高血圧症と関連、食欲も左右する
 ・アディボネクチン:善玉ホルモン
 ・エストロゲン:女性ホルモン

 これらの物質は肥えれば肥えるほど増え、糖や脂肪が分解されにくくなり動脈硬化の原因になる。昨年の4月にこの動脈硬化の原因となるメタボリックシンドロームの診断基準が出来た。ウエストの周囲が男性で85cm以上、女性で90cm以上になると内臓肥満の可能性があり要注意となる。

 ★メタボリックシンドローム:代謝症候群のこと。血液中の糖や脂肪を分解する代謝が正常でなくなり、動脈硬化から心筋梗塞などを引き起こしやすくなる。判定は内臓肥満が前提で「血圧」「空腹時の血糖」「中性脂肪またはコレステロール」の3つのうち2つが基準値を上まっているかで診断する。

 ところでこの代謝症候群を治療する鍵も脂肪細胞の中にあるアディボネクチンという善玉ホルモンで全身の血管内を駆け巡り傷ついたところを修復してくれる。これは内臓脂肪がたまるにしたがって減ってくるが体重を一割減らすだけで2倍近く分泌されるようになる。

 太る仕組みも判ってきている、夜十時から深夜二時にかけて分泌量が増加する「BMAL1」という生体リズムを制御するたんぱく質が細胞内に脂肪を貯める働きがある。まだマウスの実験段階だが、「夜食は肥満の元」が科学的に証明されようとしている。

 私もまだまだ元気でいたい。夜食厳禁、体重1割減を今年の目標としよう。