敬語と離職2009年05月23日 11:14

私は最近あるレポートをまとめたが
その中で敬語の大切さを説いた。
というのも、就職しても753の
法則といって就職3年目までに
離職、転職する人の割合が
中卒で7割、高卒で5割、大卒で3割
に及ぶという事実があるからだ。
その原因の多くは仕事の向き不向き
もあるがコミュニケーション不足、
社会人としてのマナー不足によるもの。
まとも挨拶や返事が出来ない上に
業務上重要な、報告、連絡、相談も
出来ない。
これを注意されたり叱責されたり
すればすぐに切れてしまう。
この遠因は家庭や学校にある。
家庭や学校では親密度を増すためなのか
名前の呼び捨てを許容している。
学校では生徒が先生を「田中」「山本」
と呼び捨てにする。
家庭では子供が親を「OO子」「O男」
と呼び捨てにする。
これは、マズローの言う所属の欲求
あるいは愛情の欲求を求めるために
大人が許容した愚策に過ぎない。
子供は目上を尊敬するのではなく
友達として仲間として
同等に接することが習慣化する。
その子供が社会に出たときに
社会がそれを受け入れるかといえば
一部の会社では受け入れても
多くの会社では受け入れられない。
なぜならばマズローの欲求の
上位段階は承認欲求や尊重欲求
だからである。
人は尊敬されたいのです。
人は認められたいのです。
そこに新人が上司と同等な態度で
接したら親しみを込めるために
ため口で接したとしたら
受け入れられるでしょうか。
結果は「否」です。
しかし一部の新人にはその「否」の理由が
理解できない。
なぜなら今まで許されてきた訳ですから。

社会人としては意識の変更(所属から尊重)
と言葉遣いの変更(ため口から敬語)
が求められます。
しかし、一旦ついた習慣を変えることは
なかなか難しい。
従って家庭や学校での日頃からの訓練が
必要になるのではないでしょうか。

私は中央大学の教授刺殺事件も
教授と同等との意識を
持っている学生が教授から
上から目線で注意や意見をされ
自尊心を深く傷つけられた恨みと
自分の不遇による自殺願望の転嫁としての
殺人が結びついたのではと考えている。