赤い頭の巨人2007年09月24日 09:31

 先日、「ボゼ」のことを書いた。南方からトカラの悪石島にやってきたと。恐らく黒潮を利用してわざわざやって来たかあるいは流されてきたものだろう。それではとフィリピン当たりかと痕跡を探ってみたが、良く分からない。ただ台湾で面白い種族を見つけた。それがヤミ(タウ)族である。
 ヤミ族は台湾南部の台東市東方の太平洋上に浮かぶ島、蘭嶼(ラン・ユ-・らんしょ)に住んでいる。そしてヤミ族は中華民国に復帰することになる40数年前は男女とも裸で暮らす裸族でした。男性は大型のチヌリクランや小型のタタラと呼ぶ舟でトビウオやシーラ漁をし、女性はタロイモの栽培をして暮らしている。
 この島は日本の統治時代、はだか島と呼ばれ、学術研究の見地から、外部からの訪問客の出入りを厳禁し、ヤミ族に半原始的生活様式を保持させたそうです。その時の名称は紅頭嶼。これは島全体が火山噴火の溶岩で構成され、強い太陽に照りつけられると、その反射で岩が赤い色を呈し、ことに山の峯々が真っ赤に見え、遠くから眺めると、島全体が巨人の赤い頭に似ているところから名付けられたという。蘭嶼と呼ばれだしたのは1946年にこの島の胡蝶蘭が国際蘭協会のコンクールで優勝したことを記念して。
そしてこの島の住人はフリッピン北部のバタン諸島の原住民と言語が通じることより同族ではないかと思われている。この言語はオーストロネシア語族にあたり、台湾、フィリピン、サンギル諸島やグァム、サイパンに広がっているという。
 古代遺跡については特に見当たらない、これから少し離れた緑島(以前は火焼島といわれていた。また政治犯が収容されていたため監獄島とも呼ばれていた。)には約2000年前から人が住んでいたことが確認されている。インドネシア、フィリピン、台湾と続きそしてトカラの島々へ至る海の道の一部として蘭嶼や緑島があったのかもしれない。「ボゼ」の赤い仮面と蘭嶼を象徴する赤い頭の巨人何か関連がありそうに思えませんか?