日銀金利利上げ2007年02月23日 00:38

 日本銀行が21日、昨年7月のゼロ金利解除後七ヶ月ぶりに追加利上げを行なった。(政策金利は0.25%上がって0.5%となる。)
日銀の福井総裁は「生産・所得・支出の好循環メカニズムが維持され、緩やかな景気拡大が続く可能性が高い」「低金利が経済・物価情勢と離れて長く継続するという期待が定着すると、行き過ぎた金融・経済活動を通じ賃金の流れや資源配分がゆがむ可能性がある」と二つの観点から利上げに踏み切ったもの。
 ただ日銀も一枚板ではなく、岩田副総裁は「物価の先行き見通しが不確実」と反対している。
 日銀と政府・与党の間にも微妙なずれが生じている。政府・与党は今までのような日銀への干渉は得策でないと判断し日銀に「結果責任」を負わせようという立場を取り始めた。これは政府関係者の「消費も物価も極めて弱い」との慎重論に対し日銀は「長い目で見れば基調として上昇」と分析し楽観的に捉えていることによる。
 実態として預金金利はおおむね0.1%ほど上昇して0.2%となり預金者を潤させそうだ。また大企業は借入金残高を減らしており金利上昇の影響は限定的と見られている。(大企業の6割以上が今回の利上げを適切な時期と判断しておりまた半数以上が影響ないとしている。)これに反し中小零細企業では依然重い借金を背負っており金利上昇はさらなる負担を強いることとなる。
 日銀が政策とは関係なく、金利を上げるならば、政府も財収の関係上、消費税を上げざるをえなくなる。そうすれば多少の預金金利の上昇など吹っ飛んでしまう。日銀の独立性は非常に大切とは思うが、国民全体の生活も視野に入れて金利を決めて欲しい。政府・与党も低金利に頼るのではなく、妥当な金利を容認できる体制を早く作り上げて欲しい。