大和生命が破綻2008年10月12日 21:58

 アメリカではAIGが再保険で失敗し国の管理下におかれるようになり、日本にあるアリコジャパン、AIGエジソン生命、AIGスター生命の身売りを決めた。3社とも業績自体は悪くなく破たんとは異なるが、AIGの信用の基に業績を伸ばしてきただけに新たに決まる株主の信用度によっては業績悪化に追い込まれる可能性がある。
 一方、日本においても対岸の火事ではなく、大和生命が破たんした。これは業績をあげるためにリスクの高い金融商品で運用を行っていたため。
 生命保険は破綻すれば裁判所で再建計画が認可されるのまでの間(一般的に5~6ヶ月間)は契約の解約・見直し、貸し付けなどができなくなる。しかもこの間保険料を払い続けなければ契約は失効し補償が切れてしまう。死亡や入院の補償は破たん前では全額、破たん後は再建計画が承認されるまでは原則9割が保証される。(再建計画で9割以上となった場合は後に差額が追加補償される。)再建計画承認後は掛け捨ての死亡保険や医療保険は一般的にさほど減額されないが、養老保険や個人年金、終身保険などの貯蓄性の高い保険は大幅減額の可能性が高い。(予定利率が高い商品や契約期間が長い保険ほど減額され、過去には7~8割減額された例もある。)では解約すればどうかというと、解約では違約手数料が高く戻り金が少なくなる。(一年以内の解約では2割の減額もありうる)よって満期時の改定受取額とを比較して解約するかどうか決めたほうがよい。また一旦解約すると健康状態や年齢条件によっては他社の保険に加入することも出来ず無保険(病気や死亡に対する補償がない状態)になる可能性もある。よって短絡的に解約せず、自分の健康状態なども加味して決めて欲しい。
 最近の株安で生保5社が含み損を抱えた。10日の終値が8276.43円になり5社において株式含み損益ゼロ水準(株がこの値段であれば損益がトントンでこれを下回れば損失になるという境界線)を割ってしまった。(各社の株式含み損益ゼロ水準は今年3月末で朝日12750円、住友10400円、三井9400円、富国9300円、第一8800円)この状況は銀行でも同じ。このまま株安や市場不安が続けば新たなる破たんが生じる可能性は高い。早期の株式市場の安定化が必至、週明けのアメリカ市場の動きに今後がかかっている。