インドネシアの羽衣2007年09月27日 01:46

 少し台湾で足踏みしましたがさらに探って見ましょう。「赤い頭の巨人」の中で台湾のヤミ族はオーストロネシア語族にあたり、台湾、フィリピン、サンギルやグァム、サイパンに広がっている種族と同系と書きました。さてこのサンギルはどこにあるのでしょう?そこで調べてみるとフィリピンとインドネシアの間に有ります。もう少し詳しく言うと、フィリピン南部のミンダナオ島とインドネシアのセレベス(セラウェシ)島の間にありサンギル(サンギヘ)諸島やタラウド諸島からなる群島です。
 このサンギヘ・タラウド人の起源として次のような話が伝えられています。(インドネシア北スラウェシ州政府公式ホームページより)
 昔、シアウ島(サンギヘ諸島のひとつの島)に楽器演奏(バンシと呼ばれる竹で出来た一種のトランペット)が上手で巨大なワシ(サンギヘ語でガグーダ)に乗ることが出来るメデュンデと呼ばれる勇敢な美少年がいました。この島には9つの温泉が有り、時々それぞれに美しい天の姉妹が舞い降りて湯浴みをしていました。少年は何とか乙女たちと近づきになりたいと思っていましたが、乙女たちは彼の足音が聞こえると一斉に空中に舞い上がり消えてしまいました。ある日、乙女たちが湯浴みをしている時、突然、楽器の音色が聞こえました。その音に驚いて乙女たちは衣服を抱えて飛び立ちましたがその音色に一番末の乙女だけはうっとりとして飛び立ちませんでした。そして二人は結ばれて幸せに暮らしサンギヘ・タラウド人の祖先となりました。島にはいまでも9つの温泉が残っており、島の名前(シアウ)はこの9つの温泉にちなんでつけられたということです。
 これって、日本の羽衣伝説に似ていません?ただ日本の伝説と違って服を隠さず、楽器を使うところが非常におしゃれですが。それに水浴びではなく湯浴み、温泉好きの私としてはそれもいいですね。
 いずれにせよ日本民話につながるものが遠く離れたインドネシアのサンギルにあった。不思議ですね。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://iwachan.asablo.jp/blog/2007/09/27/1823608/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。