もう一つの赤い頭2007年09月25日 01:12

 蘭嶼について面白い話を見つけました。それは台北東京カフェ店長の「東京上班族」さんのHP中。東京カフェのHPは日本語と華語の2ヶ国語で書かれているので勉強教材としてもオススメです。
 著作権が設定されているのでそのままの転記は出来ませんが、「蘭嶼・情人洞伝説」というものが掲載されています。
 その粗筋はヤミ族のソヤという少年漁師がある日網を上げるとなぜか蝶がかかっておりそれを助けて蘭の花が咲く蘭嶼の方へ逃がしてあげた。その蝶が今度は蜘蛛の巣にかかっていたので再度助けてあげた。またある日漁をしていると近くの島から矢傷を負ったライオンが助けくれと頼んだので蘭嶼に連れて行き薬草で治療してあげた。しばらくして漁を終えて家に帰るときれいな娘がいた。その娘は台湾から来た蝶の化身で東海竜宮の青竜が無理に結婚を迫ったので逃げてきたとのこと。そののち二人は結ばれ仲良く暮らしていた。
 ある日漁に出たソヤが戻ってこないので心配して探しに行くと、ライオンが出てきて「ソヤは青竜の仲間の赤い頭の蜘蛛のいる洞窟に捕まっている。やがて青竜が攻めてきて姫を取り戻し島民を皆殺しにするはずだ」と告げた。驚いた姫はライオンに青竜をくいとめておくように頼んで天の海の女神(媽祖)に助けを求めに行った。女神は部下・母雞童子を使わすとともに「玉石」を授けた。女神は「この玉石は1回しか使えない。ソヤを助けるため蜘蛛の糸を破ることに使えば青竜は殺せず、島民の命はない。また、青竜を殺すことに使えば、蜘蛛の糸は破れずソヤの命は救えない。どちらか選択しなさい」と。姫が蘭嶼に帰ったとき青竜とライオンが戦っていたが島民は波に飲まれそうになっていた。姫は迷った挙句、玉石を青竜に投げつけて殺した。その後姫は母雞童子を連れて洞窟に行き蜘蛛も殺した。ソヤは蜘蛛の糸の中に閉じ込められていたが姫が何回も体当たりしてようやく救うことが出来た。しかし姫はその時負った傷で死んでしまった。助かったソヤは姫の亡骸を抱き7日7晩泣きはらしとうとう死んでしまった。二人が流した血と涙が小川となり、その川の辺りに蝶の形をした蘭が咲くようになった。これを村人たちは胡蝶蘭と名づけ、その洞窟を情人洞と呼ぶようになった。
 ロマンチックな話ですが、後世に創作された様な気もします。媽祖は宋・建隆元年(960年)生まれで後に仙女になった神。台南大天后宮に祭られています。
 残念ながら縄文人にはつながりませんでした。でもひょっとしたら赤い頭の蜘蛛は日本のツチグモにつながるのかも?島の名前もそこから来たのかも?謎ですね。