多重債務の整理2007年02月26日 01:53

 多重債務の処理の仕方について新聞に載っていた。いつ必要になるかも知れないので知っていても損はないでしょう。
 個人の場合、任意整理、特定調停、個人再生、自己破産の4つがあるそうだ。まず金利計算をやり直すと法外な金利を取られている場合には逆に過払い金が戻ってくる場合もある。それでも借金が残る場合には上記の債券整理を考えなければならない。
 任意整理は裁判所を使わないので裁判所費用がかからないが債権者との合意が必要である。また利息制限法で再計算した残債の返済が必要で合意前の給料の差し押さえなどの強制執行を阻止できない。
 特定調停は裁判所を通じて債権者と合意するため自分ですれば弁護士費用などを考えなくてもよいし裁判所費用も債権者一社当たり千円程度の抑えられる。ただ過払い金の回収は出来ず債務の減額にも限度がある。しかも調停調書には確定判決と同じ効果があり、返済を怠ると強制執行を受ける恐れがある。
 個人再生は持ち家を残せる上に債権を大幅に減額できる(基本は8割カット)。しかも手続き中は強制執行を免れ、全ての債権者の合意も必要としない。ただし手続きが複雑で時間も費用もかかる。減額後の債務は原則3年で返済する。
 最後は自己破産。これをすれば債務が全額免除される。しかも公民権の停止や戸籍記載もなく。しかも破産後得た収入は自由に使える。問題は財産の清算が必要なので持ち家を失う。また一定の手続きを終るまでは保険外務員やガードマンは出来なくなる。また浪費やギャンブルによる債務は免除されないことがある。そして官報に名前が記載される。
 任意整理や個人再生、自己破産は専門家でなくては難しく、費用がかかる。ちなみに任意整理を弁護士に頼んだ場合、6社から300万円の借金として、着手金一社当たり2万円として6社で12万円。100万円減額できたとして成功報酬は減額分の10%と一社当たり2万円として22万円。合計34万円かかることになる。個人再生の場合は住宅ローンがある人は40万円以内、ない人は30万円以内の着手金が必要。成功報酬は30万円以内となっているので合計70万円又は60万円となる。自己破産は着手金が20万円以内。債務をゼロにしたときの成功報酬も20万円が上限となる。従って40万円。それ以外にも過払い金を取り戻した時の成功報酬や、裁判所への申立て金、消費税などもいる。費用も分割に応じる弁護士も増えているというので予め相談しておくといい。
 費用も含めて取りあえず無料相談を利用すると良い。各地の弁護士会や司法書士会にも相談室があるが日本クレジットカウンセリング協会(東京、名古屋、福岡)や法テラス(0570-078374、03-6745-5600)へ相談しても良い。悪質な相談業者もあるというので必ず信頼できる窓口で相談されるように。
 制度の利用者は任意整理については統計がないけれど他は05年で特定調停が27万4千件、個人再生が2万6千件、自己破産が18万4千件だったそうです。これからもますます増えそうですね。