疲れた!4軒はしご。2006年11月23日 21:13

 あぁー、疲れた。4軒はしごしました。ただしお酒は一滴も飲んでいません?今日は大荒れの天気になるとの予想もなんのその朝6時に起きて遠出しました。目指すは山口県立美術館。国宝雪舟の絵の展示が行なわれている。思えば高校生の時、東京の国立美術館で美術の教科書に載っていた「秋冬山水図」を見ておぉ!同じだ!と感動して以来数十年ぶりのご対面。しかも他の国宝指定作品も展示されている。途中湯田温泉の足湯に浸かろうと寄り道しましたが10時からとのこと、残念ながら目の前にしてアウトでした。美術館には30分前に着いたので車の中で待機。さていよいよご対面。入場券は前売りのローソンチケットを手に入れていたので音声ガイドを500円払って使用。音声ガイドは説明をしてくれて助かるのはもちろんのことですが、並んで時間待ちの時、繰り返して聞いていれば退屈しなくて済む。
 気になった絵は、「慧可断臂図」。達磨大師の顔や岩窟の厳しい線に比べその着衣を表した薄墨の丸っこい線が着衣を浮き立たせて見せ、それを着る達磨太子をも生々とさせていた。
 次が雲谷等益が雪舟の原本を写本した「四季山水図巻」。16mにも及ぶその図巻には四季折々の中国の村の様子が描写されておりそのどの部分を切り取っても一幅の絵として通用するくらい懸命に書き込まれていた。
 そしてもう一点が「四季花鳥図屏風」。四季を表す鳥と花が二枚の屏風に春夏・秋冬に書き分けられていた。その描写の正確さと構図の大胆さには驚かされる。
 そこを出ると次は下関市立美術館。ロダン展をやっている。入り口を入ればロビー左手にヴィクトル・ユーゴー記念像が迎えてくれる。近づいて見れば顔の輪郭は漠然としていており、額にはゴツゴツした盛り上がりもあるが、少し離れると額に陰影をもたらし、全体的に迫ってくる。白と黒の対比ということだったが、石膏像は表面がくすんでおりやはりブロンズ像のほうが存在感があった。ただ白でも大理石像は負けず劣らずの出来でした。一つの作品を完成させるために下半身や上半身、顔など部分部分に分け習作を繰り返して決定していった様子が垣間見られ、天才は努力を継続できる人との認識を新たにしました。
 実は美術館に寄る前に昼食と紅葉見物を兼ねて功山寺に行きました。食事は「祥」で取りましたが小鉢が6鉢と味噌汁と漬物、アジフライその上湯豆腐と茶碗蒸し、デザートにはみかん、そして食後にデミタスコーヒー付き。それで1050円とは感激ものでした。境内の紅葉もなかなかでしたが道中の小川の中には錦鯉が泳いでおり、また鴨がたくさんいたのにも目を奪われました。
 続いて門司港の出光美術館の「一休さんと仙厓さん」は少々期待はずれでした。ほとんど仙厓さんの書画でしたが書は別として画は雪舟の後ですので漫画とはいえ少し拙く感じました。見る順番を間違えたかな?一休さんについて高僧の肖像画に賛を書いているのが多く書が少々得意なのかなといった具合で実体が見えてきませんでした。
 ということで予定時間をかなり余したので、もう一軒ということで北九州市立美術館に足をのばしました。そこでは「ピカソとモリジアーニ展」を開催していました。ピカソやモリジアーニといっても代表作品が来ていたわけではなかったけれど他にもユトリロ、ブラック、クレーなどたくさんの有名画家の絵が展示してあったので久しぶりに満喫しました。
 今回の満足度は私なりに北九州市、下関市、山口県、出光の順でした。お酒のはしごもきついけれど美術館のはしごもかなりきつい。今日は後お風呂でも入って早寝することにします。それでは。