ウランに関わる問題2006年06月22日 02:48

 今日は大学の幹事会の戻りで少しいい気分でキーをたたいています。ところでウランに関わる問題が騒がしい。イランのウラン濃縮問題と世界のウラン資源争奪戦が注目を浴びている。ウランは水素などの軽い元素が核融合の繰り返しで作られるが、推測では太陽よりはるかに重い恒星が爆発(超新星爆発)するときに放出される中性子と元素が結びついて作られるそうだ。この時飛びちった元素が集まって太陽系や地球が作られた。ウランもこの元素の一つ。ウランにはウラン235とウラン238がありこの内核分裂を起こしやすい(燃料として使える)のがウラン235。このウラン235はウラン中に0.7%しか含まれておらずこのままでは燃料として使えない。そこで燃料として使用するためには濃縮する必要がある。ウラン235とウラン238のわずかな重さの違いを利用して遠心分離法やガス拡散法でウラン235のみを取り出しウラン濃度を3~5%まで高める。核燃料としてはこの濃度で十分であるが、核兵器の材料にするにはさらなる濃縮を繰り返し90%以上に高める必要がある。この濃縮工程を5%程度に抑えるために厳しいチェックをしているのがIAEA(国際原子力機関)である。日本もこのIAEAのチェックを受け入れているが、北朝鮮では拒否、インドでは民間利用に限って受入、イランでは一旦拒否ということで問題化している。アメリカのインドに対する甘さとイランや北朝鮮に対する厳しさとギャップがあることが気になる。さらにいえばすでに核を保有している大国のエゴも。
 原料に関しては日本が主な輸入国としているカナダやオーストラリアに対して中国の接触が活発化している。
 核兵器もさることながら原子力新興国の原子力への安易な参入が、チェルノブイリの惨劇を繰り返さないことを祈る。