エタノール自動車2006年05月14日 23:31

 エタノールはお酒の成分でもあるエチルアルコールのことで、サトウキビやトウモロコシなど植物を原料として作られるものをバイオエタノールと呼ぶ。  ブラジルではガソリンにエタノールをどのように混ぜても走る「フレックス車」が主流になりつつある。またアメリカはエタノール利用拡大の方針を打ち出し、全米で35ヶ所の製油所が建設中で130ヶ所以上となり生産能力は昨年末に比べ5割増える予定。エタノールスタンドも今年初めの600ヶ所から2,3年以内に12000ヶ所に増やし人口の70%に対応するとしている。GMなどはE85(エタノールを85%混合した燃料)に対応した自動車の販売を増やす予定。
 一方日本ではエタノールがガソリンに比べて割り高なのと供給スタンドの整備が必要となるため普及は難しいと考え、ハイブリッド車に力を注いでいる。(参考に欧州では燃料費の安いディーゼル車が主流になりつつある。)
ただ日本政府の方針では温暖化ガス削減目標の達成のため、2010年度までに年間原油50万kl相当分をバイオエタノールで賄う計画。(植物から作られた燃料を燃やして出来た炭酸ガスは元々植物が持っていたものとしてゼロカウントとされる。)このためにETBE(エチル・ターシャリー・ブチル・エーテルのことでバイオエタノールと他の化学物質を合成して作るため、普通の車でも使用可能な燃料)方式を採用。
 バイオエタノールについては沖縄でサトウキビを原料にガソリンに3%混ぜる実証実験が始められたが、当面はブラジルからの輸入に頼らないと目標達成にはおぼつかない。
 しかしブラジルのサトウキビも天候によっては供給が不安になることと、欧州でもバイオエタノールの使用を計画しており、アメリカもエタノールの安定供給のため従来かけていたブラジル産の関税の軽減も検討していることより原油と同じく品不足になる可能性が強い。
 東南アジアでもバイオディーゼル燃料やバイオエタノールの開発・製造が盛んになっている。サトウキビややし(パーム油)を用いる生産設備をマレーシア、インドネシア、シンガポール、フィリピンなどで建設および稼動中である。
 中国を始めとして原油の消費量はますます増大しそうだ、さらなる原油不足や原油価格高騰は目に見えている。日本は石油の99%を輸入に頼っておりその最大の産油国であるサウジアラビアはテロの目標になっており、力を入れているイランは厳しい情勢になっている。日本でもトウモロコシやサトウキビなどの休耕田を利用した栽培や建築廃材を利用したエタノール製造を真剣に考えなければならないときにきたのでは。
 これでいよいよ砂糖とトウモロコシと石鹸(パーム油)と卵と肉の値段も上がりそうだ!?