あいりちゃん安らかに2005年12月02日 00:21

 師走ですね。本当はブログどころじゃなく年賀状を刷らなければいけないけれど、まっ、いいか。

 広島の女児殺害、イャー、やりきれない事件だったね。例え犯人が捕まったとしても、生きては戻らないものね。
 この事件でつらい思いややりきれない思いをするのは子供や犯人の両親のほかに同じ年頃の子供を持つ親御さんそしてペルー人を含めた在日外国人ではないだろうか。

 厚生労働省調べで外国人労働者は2003年時点で79万人に及ぶ。(労働力人口の1、1%、西欧に比べれば低い)

 内訳は(2002年法務省調べ)
   専門的・技術分野   18万人
   日系人・日本人の妻  23万人
   アルバイト      13万人
   不法就労者      22万人

 在留資格の内、次の6種は就業できないが地方入国管理局で資格外活動の許可を受ければ一定時間アルバイトが出来る、ただし風俗は不許可
 「文化活動」「短期滞在」「留学」「就学」「研修」「家族滞在」

 ここで問題になるのが不法就労者でその形態はオーバーステイ(期限切れ)、資格外活動(風俗)、不法入国、不法上陸等あるがオーバーステイが圧倒的に多い。

 制度の上や法律の上では存在しないため、その多くは堂々と働けず、その結果、日本社会の闇に潜む。外国人による犯罪の検挙人数は2003年に約2万人に達している。

 一方、使用するほうにも問題がある。人手不足で背に腹は替えられないのか女性はホステス等の接客業、男性は工員や建設作業員等、深夜作業やキツイ、汚い作業がつきまとう職場で就業資格を不問として従事させている。

 不法就労外国人を雇用した事業主または斡旋した者は入管法第73条の2により3年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処せられる。

 不法労働者の内訳は強制手続きをとられた数からの推定であるが韓国、フィリッピン、中国、タイ、マレーシア、中国(台湾)、ペルー、インドネシア、ミャンマー、スリランカの順で多い。

 政府は外国人の受け入れ姿勢について、平成11年8月の第9次雇用対策基本計画の中で以下のように示している。(一部省略)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/01/s0116-5c.html

 1)専門的、技術的分野の外国人労働者については受け入れを積極的に推進
 2)いわゆる単純労働者の受け入れについては日本の経済社会と国民生活に多大な影響を及ぼすと予想されることから国民のコンセンサスを踏まえて十分慎重に対応することが不可欠。
 3)仮に単純労働者を受け入れた際の問題点として
  ・高齢者の就業機会が減少する
  ・労働市場の二重構造化が生じ雇用管理の改善や労働生産性の向上の取組みを阻害する。
  ・景気変動に伴い失業問題が生じる
  ・新たな社会的費用の負担を生じさせる
  ・送り出し国や本人の問題が生じる

 確かに色々な問題が生じるであろう。しかしながら一方では、フリーターやニートは増加しているのに深夜の仕事や製造業、農林水産業、建設業などでは募集しても日本人だけでは人手が集まらないのも事実である。
 また日本人の就業者数は2025年までには約610万人減ると推定され、たとえ女性や高齢者を採用してもとても間に合わず深刻な人手不足を生じる。
 特に高齢者に対する看護や介護では、外国人に頼らざるおえない。
 現在、外国の看護師は研修目的ということで4年間しか就労できず、介護福祉士については資格すら認められていない。あくまで日本人と同じ資格の取得が求められている。

 単純労働者の受け入れも問題であるが、専門的・技術分野においても日本の資格とどのように折り合わせていくか真剣に考える必要がある。

 その前に一番の問題は、言葉や文化の壁をお互いどのようにして乗り越えていくか、外国人が不安や孤独に陥らないようにメンタルな部分をどのようにケアしていくかを考えていかなければならない。

 外国人といった目で区別するのではなくお互いが協力者としての立場を尊重できるようしたいものだ。

 別問題であるが不法就労者についても強制退去だけでなく条件付で認知すべきではないだろうか、現に役に立っているのだから。そうしなければ闇がいよいよ深くなって「外国人が増えれば治安が悪化する」という懸念ばかりが先立ちいつまでたっても国民の受け入れのためのコンセンサスは得られないのではないだろうか。

 少子化、高齢化。労働人口問題はもう避けては通れない。
 
 今回の事件は犯人が外国人だったということで日本人に別の意味でのショックを与えたが罪に国籍による区別はない。

 最後に、あいりちゃん安らかにお眠りなさい・・・・・合掌、黙祷。