宝石のお話(9)2005年12月25日 12:58

 宝石の話もきりがないので今日を最終回にします。
 今日はダイヤモンド(以下ダイヤ)の品質のお話。

 ダイヤの価値を決めるには四つのCがあります。

 ・CARAT(カラット)重さ
 ・COLOR(カラー)色相
 ・CLARITY(クラリティー)透明度および内包物の有無
 ・CUT(カット)研磨

 例えば 「ダイヤ1,0ct/F-SI」とすると

  ・1カラットは0.2グラムに相当します。
  これがラウンド・ブリリアント・カット(58面体)とすると直径6.5mmとなります。

  ・Fはカラーを示す記号、上から3番目の上品質。

 ★カラーはカラーダイヤを除いて色は無色透明が望ましく、Dを筆頭にE,F・・・Zまで23段階に細分化されています。Dはほとんどなく、E~Hが無色の上品質、I~Lがほんの少し色の付いた中品質とされています。
 ★

  ・SIはクラリティーを示す記号、1,2に分かれますがスモール・インクルーズの略で少し傷がある。(10倍の拡大で傷が判る)

 ★クラリティーはアメリカ宝石学会の規定では11クラスに分かれ次のようになります。

  最高級品:10倍の拡大で無傷
   1: F(フローレス)
  高級品:10倍の拡大で微小な表面の欠点(内部は無傷)
   2: IF(インターナリーフローレス)
  上級品:10倍の拡大で発見困難な微小の欠点
   3: VVS1(ヴェリ・ヴェリ・スライトリィー):
   4: VVS2
  中級品:10倍の拡大で発見が多少困難な微小の欠点
   5: VS1(ヴェリ・スライトリィー)   
   6: VS2
  低級品:10倍の拡大で発見が容易、肉眼では困難
   7: SI1(スモール・インクルーズ)
   8: SI2
  最低級品:肉眼で容易に発見できる
   9: I1(インクルーズ)   
  10: I2
  11: I3
 ★

 ・カットも正確にカットされていないと光の屈折反射が正確に行われず折角の輝きが損なわれます。

 ★カットの評価はエクセレント(EXCELLENT)、ベリーグッド(VERY GOOD)、グッド(GOOD)、フェアー(FAIR)、プアー(POOR)の5段階★

 一般的に婚約指輪を選ぶには色はKかL以上で透明度がVS以上の中級品以上が望ましい。カットもVERY GOOD以上。重さは0.25から0.5カラット(若い人は大きな石を好まない)。同じ条件でも石ごとに輝きが異なるので後は自分の目で確かめ予算に応じて決めればよいでしょう。(一番重視はカット、もし妥協するならクラリティー)
 ファッションリングでもクラリティーI1以上は欲しい。カラーはお好みですがM以下でもイエローダイヤモンドと思えば支障はありません。
 
 ★カラーダイヤの伸張については、ダイヤはもともとは透明であればあるほど高級であるとの認識がありましたが、オーストラリアで発見されたピンクダイヤの人気や1980年代インドの低廉なダイヤ研磨業の発達により今までは工業用ダイヤとされていた低品質のイエローやブラウンのダイヤも宝石として加工されてきました。(最近は黒ダイヤもある・・石炭じゃないよ)・・・ただ当然ですが4Cの評価は出来ません。★

 この4Cを知っておけば少しは迷わなくてすみます。ダイヤは他の宝石と異なり評価基準が明確にされており資産価値ある宝石としての地位も揺るがないでしょう。(他の宝石はまがい物が多く精通した人でも真偽の判断が難しい。ただ現在3億カラットが死蔵(所持)されているので一時に市場に出ることがあるとどうなることやら?)
 世界中の女性は何かといえばダイヤを欲しがる!おかげで我々男性が苦労する。これも全て、デ・ビアス社の策略。 良いお買い物を。それでは。

 参考文献:「宝石伝説」北出幸男著、青弓社出版
 参考:http://www15.plala.or.jp/gemuseum/gembook.html
 これは、詳しいよ!ダイヤ以外でも参考になります。宝石好きは必見!

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